その時、誰かがトイレの入口の外に立っているのに気が付いた。黒い傘を差していて、顔は見えなかった。服装を見る限り、若い人ではないように思う。そして、その手がズボンの上から股間をさすっていた。
僕は太陽のお尻に指を入れながら、少し太陽の横にずれる。きっとその人にも太陽の中に僕の指が入っているのが見えるだろう。そのまま出し入れし続ける。
その人が音を立てずに近寄ってきた。僕は太陽の穴から指を引き抜く。すぐにその男の人が僕の代わりに指を入れた。
その人は40才くらいの人だった。股間が盛り上がっている。僕の指の代わりにその人の指が太陽に出入りしている。太陽は目を閉じたまま、指を入れられている。
(僕の指じゃないって気が付かないんだろうか)
その人も指を3本入れている。その指は一本一本が僕より太く見える。でも、太陽は洗面台の縁に胸を預け、目を閉じたまま小さくあえいでいる。
急に太陽が目を開けた。僕が横に立っているのを見る。後ろを振り向く。知らない男に指でお尻を犯されているんだ、ということに気が付いた。
太陽が僕を見る。同じように男の人も僕を見る。僕は太陽を見つめたまま、何もしない。
男の人がズボンを降ろした。そのまま、太陽に近づく。
「うぅ」
太陽が声を出した。男の人が太陽の穴に入り、動き出す。
「んっ」
太陽が溜め息のような、あえぎ声のような声を出す。
「簡単に入るんだな」
男の人が太陽にささやいたのが聞こえる。男の人が洗面台に置かれている太陽の手に手を重ねる。太陽がその手に指を絡める。男の人が太陽に覆い被さる。太陽は首を捻り、男の人の方に顔を向ける。二人がキスをする。
「男が好きなんだな」
「うん」
キスをしながら太陽が答える。男の腰が太陽のお尻に打ち付けられる。
「うんっ、うんっ」
太陽があえぐ。男の人が腰を打ち付ける音が響く。
「ああっ」
男の人が太陽の乳首を抓っている。太陽の体がびくっと動く。腰がぱんぱんと打ち付けられる。
「ああ、イきそうだ」
男の人がちらりと僕を見た。腰を太陽に押し付ける。
「おあっ」
(中で出してる)
その様子を見ながら僕は勃起していた。僕の太陽が犯されているのに、僕はそれを見て興奮していた。
「ほら」
男の人が太陽からちんこを抜いた。太陽の頭を引き寄せる。太陽は口を開く。
「お前、中学生か?」
太陽はうなずき、男のちんこを咥えた。
「あっちもか?」
ちらりと僕の方を見て言った。
「はい」
男のちんこを咥えたまま、太陽が答えた。
「ああ、もう一回イきそうだ」
しばらくして、男の人は太陽の口からちんこを抜いた。太陽の唇の端から白い精液が垂れた。

男の人はすぐにトイレから出て行った。太陽は洗面台のところで尻餅をつくようにへたり込んでいる。
「気持ち良かったんだ」
その前に立ち、太陽を見下ろして尋ねた。
「うん」
太陽はうなずいた。ちんこは萎えている。
「精液美味しかった?」
「うん」
またうなずいた。
「掘られてイったの?」
萎えたちんこに靴の先を当てる。
「・・・はい」
ちんこの上に靴を乗せる。
「誰か知らない人なのに、掘られて気持ち良くてイっちゃったんだ」
足に体重を掛ける。
「僕の奴隷のくせに」
太陽が僕を見上げた。
「太陽は、僕じゃなくてもいいんだね」
「えっ」
それまでのいかにもイった後、という表情から、困惑した表情に変わる
「じゃあ、ここで好きなだけ男に掘られればいいよ」
そう言って、僕はトイレを出た。トイレの入口のすぐ外に置かれている太陽の服を、わざと踏みつけ、そして蹴飛ばした。
「りょ、諒君」
太陽の声が聞こえた。でも僕は足を止めなかった。むしろ足を早めて公園を出る。そのまま振り返りもせずに、家に帰った。



記憶の中の太陽は、あの男と抱き合ってキスしていた。太い男のちんこがお尻に入って太陽は気持ち良さそうな顔をする。太陽が美味しそうにあの男の精液をすすり上げる。口の端から精液が垂れる。そんな顔で僕を見る。僕を見て笑う。

(妄想だ)
実際はそこまでじゃない。掘られてたのは確かだし、口の中に出されてそれを飲んでたのも確かだけど。
(僕の奴隷のくせに)
でも、あの男が太陽の後ろに立ったとき、僕は何もしなかった。
(僕の太陽なのに)
そして、あの男が太陽に入れたときも、僕は何も言わなかった。
(僕の物のくせに)
太陽が掘られていたのに、僕はそれをただ見ていた。
いや、ちがう。
僕のちんこは勃起していた。太陽が、僕の物が他の男に、全然知らない男に犯されているのを見て僕はちんこを勃てていた。
(僕は・・・どうしたいんだろ)
自分の気持ちが分からない。
太陽が知らない男に犯されて興奮した。
太陽が知らない男に気持ち良さそうに犯されて腹が立った。
太陽が知らない男に掘られてくやしかった。
(太陽は、僕の物だ)
そうはっきりと思った。
(僕の物なのに、許せない)
それが今の僕の気持ちだ。
(もう、太陽なんか・・・)
だからどうしたい?
それが分からなかった。



次の日、太陽は席にいなかった。
いや、今日は別に太陽をどこかに閉じ込めてる訳じゃない。太陽は風邪で学校を休んでいた。あの、雨の公園でのプレイで風邪をひいたんだろう。
(雨の中、裸であんなことするからだ)
また思い出したくもないことを思い出してしまった。

(結局、僕にとって太陽って何なんだろ)
昨日の夜からずっとそのことを考えていた。元々、僕と太陽はさほど仲のいい友達じゃなかった。それなのに、太陽に佐伯さんのマンションに連れて行かれ、佐伯さん達に犯されているところを見せられて、僕を好きだと言われて、奴隷になりたいって言われて。

だから、僕の方から太陽と仲良くなりたいと思った訳じゃない。
それなのに、いつのまにか、僕と太陽は仲良くなっている。たぶん、クラスでは親友とか思われてるんじゃないだろうか。
でも、ただ友達って訳じゃない。僕は太陽のご主人様で、そしていつからか、太陽のことを時々かわいいと思ってしまっている。
(これって、僕も太陽を好きだってことだろうか?)
あのトイレで知らない男の人に掘られている太陽を見て、くやしいと思ったり、腹が立ったのはそういうことなのかも知れない。僕の太陽を取られたみたいな感じだ。
だけど、あのトイレで知らない男の人に掘られている太陽を見て、勃起したのは何なんだろう。僕はどうして興奮したんだろう。
僕の太陽なのに。僕の物なのに・・・
(はぁ・・・何なんだよ、あいつは)
溜め息と共に、心の中でつぶやいた。

僕はその日の学校帰り、太陽のお見舞いに行った。
お見舞いを口実にして、あいつが僕にとってなんなのか、それを確かめるために。

「あ、諒君」
太陽の部屋に入ると、眠っていた筈の太陽が、すぐに目を覚まして言った。
「来てくれたんだ」
少し頬が赤い。
「風邪、大丈夫?」
「うん」
太陽が起き上がる。
「だいぶ熱も下がったから、明日は学校行けると思う」
「ふうん」
部屋を見回す。普通の中学男子の部屋だ。別にSMの道具とかは置いてなかった。
「ド変態のくせに、部屋は普通なんだね」
そして、太陽が寝ている布団の、足元の方を捲ってみる。
「パジャマも着てるんだ」
太陽の顔を見る。
「奴隷のくせに」
太陽は僕が普通にお見舞いに来たと思ってるんだろう。
「だって、熱あるし」
「熱があったら奴隷じゃなくなるんだ」
「でも・・・」
「奴隷のくせに」
僕は繰り返し言った。すると、太陽は立ち上がった。パジャマを脱ぎ、全裸になる。
「勃ってないじゃん」
太陽はちんこを握る。揉んだり扱いたりしてみるけど、勃つ気配はない。
「熱あるから」
僕の顔を見る。
「熱がある位で勃たなくなるような奴じゃないだろ?」
僕は手を伸ばし、太陽のちんこを握り、扱く。でも、やっぱり勃たなかった。
「しかたないなぁ」
僕は膝立ちになって、ちんこを出す。太陽はしゃがんで僕のちんこに手を伸ばす。
「飲みたい?」
太陽はうなずく。
「ホントに?」
風邪ひいて熱があるんだから、ホントはこんなことしたくないんじゃないだろうか。
「飲みたいです。飲ませてください」
そう言って、太陽は僕に土下座した。
「風邪ひいてるくせに、さすが変態だな」
太陽が僕のちんこを咥える。
「飲んだら、風邪治るかもね」
放尿を始めた。

今日は残念ながら、そんなにたくさんは出なかった。太陽はそれをごくごくと飲み干す。
「流石だね、太陽は」
おしっこを出し終えて言う。でも、太陽は僕のちんこを咥えたまま離さない。
「どうしたの?」
ひょっとしたら、気分が悪くなって吐きそうなのかも知れない、そう思った。すると、太陽は頭を前後に動かし始めた。舌がちんこに絡みつく。僕のちんこが勃起する。太陽の頭の動きが早くなる。
「飲みたい」
僕のちんこを咥えながら太陽が言う。
「諒君の、ご主人様の」
太陽のちんこも勃起していた。
「精液、飲みたい」
そう言いながら僕のを口で扱く。
「この、変態が」
太陽の乳首を抓る。
「んん」
声が出る。ちんこがびくんと跳ね上がる。
「風邪ひいてても、変態は変態だな」
すると太陽が口を離した。
「風邪ひいてても諒君の変態奴隷だから」
また咥える。気持ち良くなる。
(イきそう)
声は出さない。僕は何も言わずに太陽の口の中にいきなり射精した。
「んぐっ」
そのまま太陽は僕のちんこを咥え続ける。咥えて僕のちんこを吸う。一滴残らず吸い出される。
「ふぅ」
ようやく口を離す。そして、口を開いて見せる。太陽の口の中に僕の精液が溜まっていた。一旦口を閉じる。喉が動く。また口を開く。僕の精液はなくなっている。
「おしっこと精液、続けて飲ませてもらったの、初めてかも」
(そうだっけ・・・そうだったかもね)
太陽が少し疲れたような顔をする。でも、笑顔だ。僕は太陽のおでこに手を当てる。
「少し熱あるかも」
「だから熱あるんだって。でも、さっき薬飲んだから」
僕が来る前に、医者からもらった薬を飲んだんだろうと思った。
「ほら、諒君に飲ませてもらったから」
(それか。太陽なら、あれで治るんだろうな)
「他の男の精液も喜んで飲んでたくせに」
僕がそれを言うと、太陽は顔を伏せた。
「ごめんなさい、ご主人様」
土下座する。
「他の人に掘られて気持ち良かったんでしょ?」
太陽は何も答えない。でも、昨日は確かに気持ち良かったと言っていた。
「太陽は、どんな人に掘られても気持ちいいんだって良く分かったよ。僕じゃなくてもね」
太陽をまっすぐ見た。
「僕の奴隷じゃなくてもいいってことだよね」
太陽が顔を上げて、両手を前に突き出した。
「そ、そんなことない!」
ちょっと大きな声を出した。
「俺は、あの時は・・・諒君が見てくれてたから気持ち良くて、だって、俺は犯されてるとこ諒君に見られたいんだし」
太陽が必死な顔で僕に訴えた。
「全然知らない人に掘られて、口に出されたのを諒君に見てもらってるって思ったら、イっちゃったんだよ。だから・・・」
僕を見た。僕の目を見た。
「だから、俺は諒君じゃないとだめなんだよ」
確かに、太陽の、犯されたい、それを僕に見られたいという性癖の通りだ。だから、あの時は掘られて気持ち良かったんじゃなくて、それを僕に見られてるから気持ち良かったということなんだ。
「お願いします。俺を諒君の奴隷でいさせてください」
また目の前で土下座する。
(もしかしたら、僕がちゃんと太陽の性癖を理解出来てなかったのかも)
そんなふうに思った。でも、それを認めるのはくやしい。
「本気で僕の物になるって言うの?」
「はい」
太陽は即答した。
(どうしよう・・・)
どう答えるべきか、僕は迷った。迷った挙げ句、脱ぎ散らかされているパジャマをまるめて太陽に渡した。
「とりあえずちゃんと寝てろ。命令だからね」
「うん」
太陽はほっとした顔でパジャマを着て、布団に横になった。
「ねぇ」
太陽が言い、手を伸ばして来た。
「なに、握りたいの?」
「うん」
僕は立ち上がってズボンを脱ぐ素振りをした。
「そっちじゃないって」
太陽が少し笑う。
「そっちも握りたいけど・・・でも、今は」
僕は布団の横に座る。
「ったく、甘えやがって。元気になったらお仕置きだからね」
そして、僕は太陽の手を握った。
「ご主人様・・・ありがとう」
太陽は小さな声で言った。


      


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